守っておきたい富士山登山の6つのルール

安全のために、非常に重要なルールもあるので、しっかりと読んでおいて欲しい。


また、普通の山に加え富士山ならではのルールもあるので、しっかりと確認して頂きたい。
自分だけならと考える方もいらっしゃるが、その自分だけが30万人集まれば、とんでもない規模になる。一人一人の意識を高めて登って欲しい。

1.ゴミは必ず持ち帰る。

これは普通の登山でも同じだがゴミは持ち帰る必要がある。特に富士山では、昔から大量のゴミ問題が指摘されている。富士山の環境意識でゴミ清掃が始まったのは1960年代に遡る。この頃は、山小屋もゴミを山に捨てていたというから驚きである。


その後、ボランティアや富士山の山小屋組合、自治体の活動により大部分が回収されたが、未だに不法投棄なども含めてゴミは目にする。実は富士山が世界自然遺産では登録出来なかった背景には、このゴミ問題もあるのだ。
野口健さんがエベレスト清掃で有名になったが、そのエベレストでさえ「富士山の様にするな」とまで言われたのは非常に残念な話である。


ゴミでよく勘違いされるのが、バナナの皮などの果物の皮だ。これらは捨てても自然に還ると思いがちだが、そもそも自然に還るにはとてつもない時間がかかる上に、富士山の様な岩石では還元力も小さい。


アメ玉袋一つでもすべてのゴミは持ち帰るつもりでいよう。コンビニやスーパーの袋が一つあると便利だろう。

2.トイレは有料トイレで。

ゴミ問題と同様に問われていたのは、トイレ問題である。トイレも以前はそのまま山肌に垂れ流している状況で、トイレットペーパーが散乱する様子は「白い川」とまで言われていた。


その後、環境配慮型のバイオトイレが順次導入されたことで、改善はかなり進んでいる。しかし、バイオトイレは、県の補助金があるにしても、千万円単位でのお金が必要であり、維持も相当な経費がかかる。今でこそ、何気なくトイレは使えるかもしれないが、金銭的な背景も理解して頂きたい。


ちなみにトイレの料金は、宿泊者無料というところから200〜300円程が相場である。トイレに2、3000円はかかることを想定しておこう。ある程度の小銭を準備しといた方が良いだろう。

3.すれ違うときは、登りの人が優先。

これは、富士山に限らずどこの山でも共通するルールである。山では当然ながら、下る人よりも登る人の方が大変であり、登りを優先にするのはそういった気遣いからである。富士山では、登山道と下山道が分かれている場合は多いが、すれ違う場合があったら意識しよう。

4.山小屋は予約制

特に年配で登山経験の長い方などで多いのが、山小屋は突然行っても必ず泊めてくれるという勘違いである。富士山の山小屋は予約制が基本となっており、予約がないと行っても本当に泊めてくれなかったりする。特に週末など混雑する場合は、早めの予約を心がけて欲しい。

5.登山道からはみ出ない。

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富士山は元々噴火で出来た影響で、現在でも岩石が崩れたような斜面をしている。


登山道でこそ、多くの人が踏みならし、また整備されているが、一歩登山道から出ればそこは、岩石が浮いていたり、非常に危険である。
頂上付近で行列が出来ていると、ついつい登山道を出て登った方が早く行けるように思ってしまうが、そこで発生した落石などが下の登山者に当たることもあり得るので絶対にやめよう。

6.自分が落石を起こしてしまったら

富士山でも頂上に近づくと、大きな岩がゴロゴロとしていて、登山道から離れた場所でも時折、ゴロゴロと斜面が崩落している音が聞こえて来ます。そんな中、もし自分が歩いた石が原因で落石を起こしてしまったら、大きな声で「ラーク」(落石のこと)と叫びましょう。


これは、聞き慣れない方は恥ずかしいが、これは登山する者なら必ずやらなければならないルールである。
この声が一瞬遅れるだけで、人が死ぬ可能性があることも理解しておいて欲しい。