はじめに
登山では、継続的に行動食でエネルギーを補う必要がある。
行動食は、お腹がすいたから食べるのではなく、休憩のたびにこまめに接種するのが理想的なスタイル。
行動食には、次の様な特徴が求められる。
・軽量で手軽に食べられる
・エネルギーの即効性が高い
また、行動食は高度に栄養学が絡んでいる。
例えば、チョコレートなどの単糖類はエネルギーに変換される即効性が高いものの、継続的なエネルギーは生まれない。
さらに、エネルギーに変換する際にビタミンB1を多く消費する。ビタミンB1が欠乏すると、心不全などの病気のリスクが高まると言われている。
などなど。一つの食品を食べ続ければOKという単純な話ではないので、3食との栄養バランスなどをしっかりと考えて、行動食を選択してほしい。
今回は、登山用品店でもよく目にする代表的な行動食を紹介する。
たかが行動食と思って侮るなかれ。実際に色々山に持って行って食べ比べしてみるのも良いかと思う。
読者のみなさんのお気に入りの行動食が見つかることを願う。
アメリカ生まれ、クライマー御用達のCLIF BAR(クリフバー)
アメリカ生まれのクリフバー。とにかく腹持ちがいいのが特徴。おしゃれなパッケージも、持っていてかっこいい。甘すぎず、疲れているときでも結構いける。
一気に一本いくというよりは、少しずつ食べるのがおすすめの食べ方。
マカダミアナッツの他に、
・オートミールレーズン
・チョコレートチップ
・クランチーピーナッツバター
・チョコレート/アーモンドファッジ
・ブルーベリークリスプ
の全6種類。
大豆(SOY)喜び(JOY)を意味するSOYJOY
大塚製薬より発売されているSOYJOY。低GI食品で、急激な血糖値の上昇を抑え、ゆっくりと消化される。
ダイエット食品としてPRされている商品だが、腹もちの良さを考えると、登山の行動食としてその能力を充分に発揮するだろう。
種類の多さもうれしい。
ピーナッツ
フルーティートマト
ブルーベリー
ストロベリー
マンゴーココナッツ
アップル
レーズンアーモンド
カカオオレンジ
アプリコット
サンザシ
田部井純子さんが実感サポーターを務めるアミノバイタル
アミノバイタルは、スポーツ界でも今最も注目されている行動食の一つ。
但し、従来の行動食と大きく違う点は、エネルギーを生み出すというよりは、筋肉疲労を回復させるのが目的というのが大きく違う。
アミノバイタルは、長距離を歩く登山で、疲れを溜め込まず、最後まで筋力を維持するための食品と考えて良いだろう。
写真のタイプの他に、粉末状タイプのものがある。
元祖アミノ酸補給食品ウィダーインゼリー
こちらも筋肉疲労に効果があるアミノ酸補給食品。
プロのアルピニストでも愛用する人が多い。キャップ付きなのでちびちびと飲みながら行くのもおすすめ。
栄養と同時に水分が補給出来るのもポイント。
日本人になじみやすいスポーツようかん
汗で消費される塩分が、日本人になじみの深いようかんで接種出来るのがうれしいところ。
また、一本でごはん一杯分のカロリーを接種できます。
甘いものと塩分が両方接種出来るのは、うれしいですね。
ハニースティンガー
天然素材のオーガニック食品であるハニースティンガー
何と言っても、37gと非常に軽いのがウリです。
そしてそのうちの29gが炭水化物とまさにミスター行動食といっても過言ではない。
素早くエネルギーを補給したい登山者にはおすすめである。
おいしいアミノ酸BCAA
分枝鎖アミノ酸(branched-chain amino acids、BCAA)の略で、登山など持久的なスポーツに効果を発揮します。
BCAAを接種することで、筋肉の損傷を防ぎ、最後まで持久力のある登山が可能になります。本来BCAAは、苦みがあるが、
この商品は苦みを抑えたグレープフルーツ味となっている。
さいごに
現在、行動食としては、アミノ酸系のものを多く目にする。これは近代のスポーツ科学に基づき、いかに筋肉疲労を回復するかに着目された結果であろう。
はじめにも述べたように、ただ「おいしい」というだけでは、行動食は失敗する。登山中の食事との兼ね合いで、最適な組み合わせを模索して欲しい。
富士山の様に日帰り/一泊二日の短期登山ならば影響は少ないが、アルプスなどで長期縦走する場合には、特に重要な問題になってくる。
もちろん登山専用のたべものだけでははく、スーパーで売っているお菓子も選択肢としてあるだろう。
皆さんが良い登山が出来ることを願っています。