日本の代名詞でもある富士山。近年では1シーズンに30万人が登山するくらい人気になった一方で、遭難件数も年々増加傾向にあります。そのなかには、軽装で登って遭難したケースも。夏といえども夜になると気温が10度以下にもなります。ここでは登山に必要な基本装備と、あると便利な富士登山グッズをご紹介。きちんとした装備で快適で楽しい思い出を作りましょう!
基本装備装備一覧
あると便利な装備
あると安心するサポートグッズ
基本装備装備一覧
・登山靴
交通手段が断たれる山では、自分の体だけが頼り。靴が原因で思わぬ怪我をしたり、合わない靴で楽しい登山が台無しにならないよう、自分の足にフィットした登山靴を選びましょう。
選ぶ際のポイント
① 不安定な足場が多い山で足首を捻ってしまわないようしっかりとくるぶしをガードしてくれるミドルカット。
② 岩場でも1カ所だけに負担がかからないよう、靴底(ソール)は固くて適度にしなるもの。
③ 店員さんと相談し、いろいろ試着してみる。
体を守る大事な相棒だからこそ、手に取って実際に履いてみてから購入することをおすすめします。また、今後も登山を続けるようであれば、より本格的なシューズを選ぶといいでしょう。
平均価格は1万3000円〜2万円程です。
・ザック&ザックカバー
日帰り〜山小屋1泊であれば20〜30ℓの容量くらいがベスト。気になるザックをまずは店頭でいろいろ試着してみるといいでしょう。水が食料、着替えと重い荷物を背負うので、なるべく自分の体格にしっくりしたものをチョイス。
選ぶ際のポイント次の通り。背面のサイズが合っているか。ショルダーハーネスが肩に食い込まないか。ウェストベルトは腰の位置に収まっているか。
これらの点を考慮すれば自然と求めているザックに出会えるに違いありません。ザックカバーも一緒に購入するのを忘れないで。
・レインウェア(雨具)
天候が変わりやすく、風も強いのが山の天気。レインウェアなしで登るのは自殺行為に等しいと言っても過言ではありません。まさに体を防護する意味でレインウェアは欠かせない重要なアイテム。
一般的に普及しているのがゴアテックスを使用したもので、防水性が施されているので水をはじくのはもちろん、高い浸透性で汗などの水蒸気を外に逃がしてくれます。さらにはウィンドストッパー機能で防風効果も。
ちょっとお値段がかさみますが、安全はお金には変えられません。
・防寒着
富士山は真夏でも頂上付近は4度から5度付近と、東京の真冬位の気温になります。
下が暑いからといって油断すると痛い目に合います。
新しく山用に準備するほうが良いですが、金額的な負担になるようであれば、
既にお持ちのフリースなどでも十分です。
フリース素材の防寒具や薄手のダウンジャケットなどを持って行くと良いでしょう。
ユニクロなどで買ってもOK。
・ウェア
登山ではものすごい量の汗をかくので、ウール、またはポリエステルのような化学繊維を使用した速乾性と通気性が高いウェアがベター。
逆に、保水力が高いうえに、乾きにくいという特徴がある綿の素材は避けるというのが登山の常識です。吹きさらしの山ではとにかく濡れと寒さが一番の強敵。常に体が濡れないかを考慮してウェア選びをするといいでしょう。
・手袋
気温が低くても指先までスムーズに動かせて保温が効くフリース素材や防水加工されているものが有効。トレッキングポールを使う人は、握った時にグリップしやすい滑り止めがついたものを選ぶといいでしょう。
多少厚手の素材が寒さを凌げて◎。
・ヘッドライト
日が落ちるとあたりは真っ暗な闇に包まれてしまうので、足下を照らすのに使います。なかでも頭に装着するタイプは、目線の先を照らすことが可能でとても便利。
また、消灯時間すぎた山小屋内でも荷物整理の際などに両手が使えて重宝します。電気のない不便さもヘットランプひとつあると、大きく様変わり。便利なものを持っておくと心にも登山を楽しむ余裕が生まれます。
・スパッツ
とくに下山では靴のなかに砂塵が入ってこないようスパッツを装着します。種類はロング、セミロング、ショートの3つ。
ロングは積雪期に雪が侵入するのを防ぎ、ショートは小石が多いガレ場が場所で使用します。つま先からふくらはぎまでをカバーするセミロングが富士山には丁度いいでしょう。
あったほうが良い装備
・トレッキングポール
長時間下っていると“膝が笑う”という言葉があるように、足に力が入りにくくなって転倒する可能性も出てきます。そこでポールを使い、足にかかる衝撃を減らして支点を増やすことにより関節をサポートします。関節が弱い人には必須なアイテム。
定番の金剛杖を買うのも良いでしょう。富士山の登山口などで売っています。
金剛杖は各小屋や頂上などで記念の焼き印を押して貰えます。(有料)
・日焼け止め
麓の約1.4倍の強烈な紫外線が降り注ぐ富士山頂は女性にとって悩みの種。もちろん皮膚の病気を考えると男性もしっかりとUV対策をしなくてはいけません。また乾燥しやすい環境でもあるので、下山したらお肌の手入れも忘れずに。
・靴下(ウール)
汗をかきやすく発汗されにくい足下にはウールの靴下が一番でしょう。なかでも最近注目されているのが羊の毛と化学繊維を組み合わせたメリノウール。保温性と吸湿性に優れているだけでなく、臭いもつきにくい特性があります。1枚あれば2日間履き続けても周りも自分も不快な思いはしません。
あると安心するサポートグッズ
・膝用のサポーター
普段運動しない方が突然長時間歩くと膝をいためる場合があります。
そういった場合、テーピングなどの方法もありますが、サポーターがあれば、
ラクに膝の負担を大幅に軽減する事が出来ます。
チェックリスト
上記の装備をチェックリストにしました。プリントアウトして、購入の参考にしてください。
富士山登山装備チェックリスト(PDF)